チェックライド
さぁ、いよいよ本日はチェックライドの日です。朝から落ち着きません。なんとも言えないプレッシャーがのしかかります。TKDさんのフライトに合わせて朝8時にSkylineへ向います。
Oralの復習でもしながら適当に時間を過ごし、9:30頃にSav-Onに行ってカセットテープを仕入れてきます。WXをとるのに、一応後で何回も聞けるようカセットに録音するのですが、テープがないんです(^^;)。ついでにMcDonald’sで早めの昼食を仕入れておきます。といってもこの時間だと朝食メニューしかなかったですが。
WXをFSSにTELして取ります。仕入れてきたカセットテープを使って録音しますが、このBrieferはぼそぼそしゃべるのでちょっと聞き取りにくいですぅ。録音も今ひとつクリアにできませんでした。何回も録音した情報を聞き直したりしているうちに結構時間が経ってしまい、慌ててNAV Logを埋めます。そういえばこの情報を元にWeight & BalanceシートのTake-off distanceなどを埋めないとならないので、いつものクロカンより余計に時間がかかってしまいます。というわけで、Ramonaを出発する予定の11時をちょっと過ぎてしまいました。反省反省。
さてPalomarに出発します。本日も東よりの風なので、R/W 9を使います。タクシーウェイへの出口近くになんだか車が何台も止まっていてそこでランナップができないので、いつものランナップエリアまで行ってランナップを済ませてR/W 9にタクシーバックします。
R/W 9からTake off! Downwind departureでPalomarに向います。本日も風が強いので、アップウィンドでドッカンドッカン揺られてビビリますがエイヤと押さえ込みます。
いつもと同じくEscondido上空でタワーとコンタクトしてPalomarに向います。今日はいつもとは違う風向きのため、R/W 6のダウンウィンドに入るよう言われます。しかもライトトラフィックパターンです。ギョギョ。またしても初めてのパターンです。なんだかセスナがいるそうなので、そいつの後について行く形になります。うーん、トラフィックが確認できないなぁ。と思っているうちに45エントリしようとすると、あ、Traffic in sight! やけに近いです。教官に、こういう時はトラフィックパターンもくそもないので、まずはセパレーションを取るべく、より外を飛べ! といわれます。あぁ反省反省。
エアスピードを落としつつセスナの後をついていきます。海岸線まで来てしまいました。ようやくセスナがベースターンしますので、我々もその後ベースターンします。もうすっかり海の上。ここからロングファイナルに入ります。遠くに見えるR/Wに向ってひょ~っと降りて行くのっていいですねぇ。そしてタッチダウン。
タワーが「Groundにコンタクトせよ」と言っているように聞こえたので、そうしようとするとどうやら「この周波数を維持せよ」だよと教官に指摘されます。うー、そういうパターンもあるのかぁ。ようやくGroundとコンタクトしてWestern Flightにタクシーすることを伝えると、なんだかタワーをabeamする位置でタワーの方向に曲がれとか言ってきます。これもまた初めてのパターンです(^^;)。そしてようやくWestern Flightの駐機場に到着。ふぅ、なんだかしょっぱなからあついことだらけです(^^;)。
この時点で12時ちょい過ぎなのであとはExaminerが来るのを待ちます。あー、落ち着きません。こういう時間が一番いやですよね。
12:30過ぎについにExaminer登場です。Western Flightの一室でExaminerと対面です。まぁ見た目はちょっと体格が大きい普通のおっちゃんです。なんだかMr. Beanに似ているような…。
Mr. Beanが…あ、いや、Examinerが教官にこの部屋にいるよう言います。というわけで教官も同席しますが、基本的には眺めているだけです。ログブックとかwrittenの結果やApplication Formを確認しつつ、日本での住所とか名前の発音なんかについて世間話をしているうちになんだかいつの間にか質問が始まって「あれっ? これってもうoral始まっているのかな?」という感じです(^^;)。
CurrencyやMedical Certificateなどについての質問は無難にこなし、今度はMaintenance Recordについて説明しろと言われます。簡単に終わるのかなと思っているとなんだかやけに細かいことまで聞いてきます。Annual Inspectionや100-hour Inspectionの他、エンジンはどうだとか、ADはどうだとか…。もう詰まる詰まる(^^;)。こういう時はExaminerが説明してくれて、ちゃんと理解したか? と言われます。あ、あついです。
その他、気象のこととか、Airplane Systemとかスピンのこととか、Fire in flightのこととか、Weight & Balanceとかについて、やけに細かいことを聞いてきます。まぁ基本的にはちゃんと答えられましたが、ちょっと質問の意味を取り違えたり、詰まったりするとまた懇切丁寧に教えてくれます。
NAV Logについてはまぁ問題ないのですが、今度はsea levelにいる飛行機と例えば6000ftにいる飛行機のTake-offについてDensity Altitudeと絡めてLift offのIASについてだとか、Take-off distanceについてだとか、またしてもやけに細かいことを聞いてきます。いやー、あついあつい。
チャートやAirspaceについてはまぁ問題なく答えられました。これは練習の成果がばっちりです(^^)。
そうこうしているうちに、プリフライトをしてくるよう言われます。お、これでoralは終わりのようです。ふぅぅ、ちょっと一安心です。
プリフライトをしているとExaminerがやって来てついに出発です。いつもと同じようにGroundにコンタクトしてR/W 24にタクシーします。この時点ではいつの間にか風向きが変わっていてR/W 24になっていました。ランナップを済ませると最初はShort-field Take-offをするよう言われます。タワーからCleared for take-offが出ました。Right closed trafficで出発!
アップウィンド上でタワーから「適当なところでクロスウィンドに入れ」と言われたように聞こえたのですが、どうやら「できるだけ速やかにクロスウィンドに入れ」だったようです。後ろからジェット機がTake-offしてくるらしいです。わちゃー、さっそくExaminerから突っ込まれました。
ダウンウィンド上でT/Gの許可が下りました。No.1です(^^)。あまりNo.1のことがなかったのでちょっぴりうれしいですね。いつもはNo.2だとかNo.3以上なので、他のトラフィックを確認するのが忙しいですから(^^;)。ExaminerからはShort-field Landingするよう言われます。まぁまぁうまく行きました。本当はここでフルストップしないとShort-field Landigぢゃないですが、今回はこのままT/Gします。
次はSoft-field Landingです。タワーにフルストップを要求します。これもまぁまぁうまく行きました。が、最初の出口で出られず、次の出口まで行く羽目になりました。結構急いで進んだつもりなのですが、タワーからはファイナルにいるトラフィックにGo-aroundが出されてしまいました。しかもそいつはジェット機(Falcon)でお客さんが10人くらい乗っているようなやつです。ギョギョ。
急いでHold lineを超えたはいいのですが、この3567Pは左ブレーキの効きがいまいちでブレーキをかけると右に曲がる傾向があるんです。ですからあまり強くブレーキがかけられないんです(※)。そのせいでHold lineを超えてタクシーウェイに出てしまいました。やべ。でも出ちゃったのはしょうがないので、ちょっと端っこに寄ってGroundにコンタクトしてR/W 24にタクシーバックします。あついです。
(※後から考えたら、私のブレーキの踏み方も甘かった気がします。)
今度はSoft-field Take-offです。タイミング良くタワーからはHold shortの次にCleared for take-offが出ましたのでRolling take-offが出来ます。Soft-field Take-offはとっても好きなのでこれはもう余裕でこなします。Goodです(^^)。
Right downwind departureでPalomarを離れて、クロカンに向う想定でナビゲーションを開始します。といってもEscondido上空でJulian VORをちょっとトラッキングしたところで(5分くらい?)もうおしまいで、Diversionするよう言われます。「この空港まで連れて行って下さい」と指示されます。おぉ、65 nmも先かい。MCと距離を適当に決めてそっちに向います。これもちょっと進んだらおしまいです。
いつもの訓練域のあたりで、各種マニューバを行います。適当に自分でBefore Landing CheckとかClearing TurnをしてまずはSlow Flight。問題ありません。このままあちこちにヘディングを変えるよう指示されます。問題ありません。あとはStall Recovery、Steep Turn、”Engine failure!” と言われてEmergency Landigを次々に行います。
次に2800ftに降下するように言われたのですが、あまりこういう半端な高度にすることがなかったので、最初聞き間違いかと思って何回も聞き直してしまいました(^^;)。この高度でGround Reference Maneuverを行います。
まずはS-Turn。リファレンスとなる道路が指示されますのでそこでS-Turnをします。本日は風が強いので、ちゃんとダウンウィンドからのバンクはsteepでアップウィンドからのバンクはshallowにしないとうまく行きません。まぁうまくできそうです。ここでExaminerから「Ground Reference Maneuverをする前には何をすべきか?」と質問されます。う、もうマニューバに入っているのにきついなぁ(^^;)。Before Landing Checkだと答えると、もう1つあるといいます。えーと、あれっ? なんだろう? あつくなりつつもマニューバを続けます。あー、CPUパワーが…。Examinerが「Emergency landingする場所を決めておくこと!」と教えてくれます。あれー、訓練ではそういうことやったっけなぁ(^^;)。でもまぁ確かにGround Reference Maneuverは低いAGLで行うので、ここでエンジンフェイリャーしたら大変なのでもっともです。1つ勉強になりました。
次にTurn around a Pointです。自分で適当に目標物を決めて始めようとしますが、「今風はどっちから吹いていますか? ダウンウィンドから開始するのではないですか?」と指摘されます。う、確かにそうです。ダウンウィンドの向きに向き直して今度こそ開始です。これもちゃんと風向きを考慮したバンクで回ります。この時、どれを目標物にしているかExaminerに聞かれます。Examinerに最初に「あれを目標物にします」と言っておいたほうが良かったようです。マニューバ的には問題ありません。
さぁついに「Palomarに帰りましょう」と言われます。お、これで終わりかな? 上昇して適当なところから降下を開始してEscondido方面に向います。ATISを聞いてEscondido上空でタワーにコンタクト。後はロングファイナルに入ってフルストップ。無難にWestern Flightまでタクシーしておしまいです。
おぉぉ、ついに終わってしまいました。Examinerはまだ合否については何も言ってくれませんが、手ごたえとしてはまぁ大きなミスはなかったので、大丈夫でしょうという感じです。
先ほどの一室に戻って、教官とともに総評を聞きます。
- マニューバ的にはGood。
- タワーとの交信は基本的には良いが、ちゃんとタワーの指示にすぐに反応すること。
- このくらい混んでいる空港ではナビゲーションとか計器を見ることはもちろん大切だが、周りをもっとよく見ること。あなたが計器を見ていてタワーがあなたを見ていないときに他の飛行機が近づいているかもしれない。
- Ramonaのようなノンタワー空港でももちろん良いが、もっとClass D、C、Bに行って経験を積むこと。
- Take-offする直前にDirectional Gyroを合わせるのと、フルパワーにした時のRPMをちゃんと確認すること。
- レシプロエンジンはラフにフルパワーにしないこと。エンジンは友達だ。
- それ以外は特に問題はない。安全なパイロットだと認定する。
というわけで、Temporary Pilot Certificateにサインするよう言われ、ついに、
Congratulations! (握手)
やった! やりました! ふぅぅぅぅぅぅぅぅ、いや~、ホッとしました。あぁ良かった(^^;)。MRT教官もなんだかうれしそうに「おめでとう」と言ってくれて、ちょっぴりジーンとしてしまいます(^^;)。
そして外で待っていたNRKさん、TKDさんのところにPilot Certificateを持ってさっそうと登場! 皆さんにこの瞬間を見届けてもらえるとは、ほんと、とってもうれしいですね。さっそく記念撮影(^^)。Western Flightの従業員にも「おめでとう」と言われます(^^)。この兄ちゃんは、我々が空港を去る時にも燃料運搬用のトラックからクラクションを珍走団のように鳴らして盛り上げてくれます(^^;)。
落ち着いたところで、Pilot Shopに行って買い物です。私は、なぜかRamonaのマグカップ(しかもRamonaのR/Wの絵が書いてあるやつ)が置いてあったので、それと、OptimaのPilots Guideをゲットです。
この後NRKさんの操縦でSan Diego国際空港(Lindbergh field)にナイトで行き、飯食ってRamonaに帰って来ました。NRKさんは森田さんの指示を受けながらApproach Control、Tower、Ground、Clearance Delivery、Departure Controlとの交信の練習をしました。私が初めてClass Cの空港に行った時よりもずっとまともに交信できていて感心してしまいます(^^;)。
夜のSan Diegoの街や、R/Wライトはとってもビューチホーでした。相変わらず街にある空港は夜は直前までよくわからないんですが(^^;)。あと、ダウンウィンドでshort approachするよう言われたので、ファイナルがすんごく短くて、あのビューチホーなR/Wライトがちょっとの間しか見られなかったのは残念です。それにしても間近ででっかい旅客機が出発して行ったり到着するのを見るのは迫力満点です。その合間を縫って我がCherokeeがブイーンと飛んでいるのはまさに「アメリカ!」って感じです。
ホテルに帰ってからは3人でビールでかんぱ~い! いやぁ、こんなにうまいビールは久しぶりですね。これで今回の合宿の目標を全てクリアしました。めでたしめでたし。