2002/08/25(日)

Salinasへ

本日こそロングクロカンをすることにします(^^;)。WXがちょっとあやしいですが、海沿いのEureka, Murray (EKA)とShelter Cove (0Q5) (ここではT/Gだけする)を経由して、Merced近くのCastle (MER)という大きなノンタワー空港に寄り、Salinas (SNS)まで行くことにします。EKAとMERの間が250nm以上のレグとなります。後のレグはどれも50nm以上あります。今度こそ大丈夫(^^;)。

ちなみにMERは元軍の空港だったらしいです。San Bernardinoみたいですね。0Q5はCalifornia Chartの表紙になっていて、海沿いのR/Wが美しく、いつか行ってみたいと思っていました。

La Quintaをチェックアウトし、バンでO85まで送ってもらいます。FBOで燃料の精算をし、出発の準備をします。

さてと気合を入れて、O85のR/W 15から出発! 西側の海沿いのEKAに向かいます。

山沿いのコースを西に進んで行きます。次第に海が近くなってきました。さぁこの山を越えたら海沿いだー…と思ったら、海沿いは見事にマリンレイヤがべったり。うっ、これはまずいなぁ。TAFを見た限りではBKNくらいだと予想していたのですが、これはちょっと予報より悪い状態です。これではさすがに降りられない。IFRで降りてもいいけど、ノンタワーだと今度は飛び立つ時が面倒なので、ちょっとやりたくない(^^;)。

というわけでdiversionすることにします。O85に戻るルートを飛びながら、代替案を探ります。本当はこういう状況を予想して、予め地上でやっておくのがベストだったんでしょうが、こういうこともあるってことで(^^;)。えーと、EKAがダメだとすると、O85から50nm以上離れ、かつ、MERまで250nm以上離れているとすると…このあたりか。Reddingよりも更に北側のMontague-Yreka (1O5)という所が良さそうです。近くにVORもあるし燃料もあるし。

Fort Jones VORを経由して1O5に到着。ふぅ。このレグだけで2時間以上飛んでしまいました(^^;)。

transientにタクシーしていくと、やけに元気なおじさんが誘導してくれます。よく見るとこの人、おじさんではなくおじいさんです。名前はDaveさんというらしいですが、このDave (←すでにファーストネーム扱い)、なんだかやけに親切です。燃料の入れる場所の案内や、ジュースやスナックの自動販売機の使い方を詳細に説明してくれます。ブリトーも売っているらしく、その説明もしてくれます。おぉ、ブリトーなんていいですね。ぱっと見た目わからないですが、オフィスの奥にある冷蔵庫にブリトーがあるので、そばの缶にお金を入れて適当に電子レンジで暖めて食べていいらしいです。Daveがブリトーを親切にも暖めてくれました。

ブリトーを食して、一休みしているとDaveがやって来て、ここからRedding方面へのルートのアドバイスをしてくれます。おぉ、これはありがたい。

さて出発です。まずは給油する必要があるので、ポンプのある所まで数十mタクシーします。この時もDaveがポンプの所で誘導してくれます。本来はセルフサービスのポンプですが、全部Daveがやってくれます(^^)。なんと親切な!

Daveは昔China AirだかAsianaだかのディスパッチャをしていたそうです。B-747を扱っていたとかなんとか。ディスパッチャってのが具体的にどういうことをやるのか私はよく知らないのですが、やっぱ飛行機関係の仕事をしていたんですね。

【後日追記】「ディスパッチャ」とは「運航管理者」といって、エアライン等でフライトプラン(ファイルするやつじゃなくて、ルートとか高度とか搭載燃料とかの運航計画のこと)を作成する「地上の機長」のことです。エアラインではディスパッチャと機長が出発前にブリーフィングして双方が合意して初めてその便の運航が可能となります。この時点で私は全然知らかなったんですね。

Dave自身はprivate pilotだそうで、とことん飛行機のことが好きって感じです。ディスパッチャをリタイヤしてからは、こうやって空港に来る人達の世話をするのが生きがいなんでしょう。ディスパッチャ時代に多くのアジア系の人達と付き合いがあったせいでしょうか、我々のことをとても暖かくお世話してくれました。ありがたいことです。

「いつでもここへ戻ってきなよ。また歓迎するよ!」

ちょっとした感動に浸りつつ、1O5を後にします。

R/W 15から出発し、Mt. Shastaという富士山みたいな大きな山を左手に見つつ南下して行きます。RDD上空を通過し、Red Bluff VORへ。ここからは前日来たルートを逆に辿り、Linden VORまで行きます。Linden VORからMERまではあと少し。降下して行くとすぐにMER in sight。MERはバカでかいのですぐわかります(^^)。

MERのR/W 31に到着。すぐにタクシーバックして、再びR/W 31から出発。今度はSNSに向かいます。

SNSが近づいて来ました。ATISを聞くとBKN008。うーん、ちょっとやばいかなぁ。この山を越えるとSNSがある谷に出るはずですが、雲の状態はどうか。あれぇ、SNSの方向はマリンレイヤが入り込んでいてよく確認できません。近くまで行ってみますが、ちょっとR/W in sightできる状態ではありません。そうするとどうするか? 他の空港に降りるか…でもそれだと既に予約してある宿はどうするか…最悪キャンセルでも仕方ない。でもそれも面倒だ。

ここはひとつ、instrument pilotであることだし、ILSアプローチすることにします。一旦SNSから離れつつ6000ftまで上昇しながらアプローチチャートをごそごそと取り出し準備します。アプローチチャートを詳細にレビューします。

SNSから20nm SEでMonteryアプローチ(APP)にコンタクト。SNSでのILSアプローチを要求します。squawkをもらってレーダーコンタクト。ヘディング200°で6000ftを維持します。

そろそろLOCに近づいてきたなーと思っていると、予想通り “heading 280, maintain 6000 until established on the LOC, cleared for ILS Rwy 31 approach” です(^^)。

LOCをつかまえて降下開始。GSに上から乗って後はこのまま降りて行くだけです。APPからタワーにハンドオフ。タワーにコンタクトすると “report outer marker” です。気流が安定しているので、LOCやGSに乗って行くのは問題ありません。

アウターマーカ通過。タワーにリポートすると “cleared to land, R/W 31” です。さぁ雲に入ります。ふわっ。マリンレイヤの端っこなのでそんなに濃い雲ではありません。しばらくするとすぐに雲の下に出ます。雲の下は当たり前ですが曇っていて薄暗いです。えーと、どこにR/Wがあるのかな? あ、あった、ありました(^^)。視程がそんなに良くないせいもあり、かなり近づかないとわかりませんが、ようやく確認できました。PAPIも確認できました。あとはフラップを出していつものようにタッチダウン。

R/Wを出てグラウンドにコンタクト。transient parkingへのタクシーを要求します。「R/W 26をクロスして、タクシーウェイAの緑色のラインに沿ってtransientまで行け」とのことですので、それに従います。無事到着。ふぅ。

ターミナルビルの側に駐機したのですが、ターミナルは既に閉まっています。現在18:30過ぎくらいですが、ターミナルは16時でおしまいのようです。雲っているせいもあり、なんだか活気がなくて寂しい感じがします。ターミナルとランプの間の柵には「到着した機体はターミナルのオフィスでチェックインして下さい」と書いてあるのですが、どうしろというのでしょうか?

給油のトラックがいたので、給油をお願いします。ついでにチェックインやtie-down feeはどうすれば良いのか聞くと、わざわざ無線で誰かに聞いてくれます。そうすると「明日の朝払えば良いみたいですぜ。でもしらばっくれてそのまま行っちゃってもわかんないけどね」だって。

さて、ここから本日の宿泊先であるHoliday Inn Expressに移動したいのですが、一応ピックアップサービスが受けられるかTELして聞いてみることにします(NRKが)。そうすると、なんといきなりTELを切られちゃったみたい。なんだか感じ悪いなぁ。もう一度TELすると「ピックアップサービスはない。タクシーで来い」みたいに言われちゃいます。なんだ、ピックアップくらいしてくれっちゅーの。しかたないので、教えてもらった番号にTELしてタクシーを呼びます。

しばらく待つとタクシーがやって来ました。この運転手さん、語弊があるかもしれませんが、見た目ちょっとあやしい。移動中も携帯で英語ではない言語で誰かと話しています。変な運転手でなければいいのですが…

一抹の不安はあったのですが、10分くらいで無事ホテルに到着。メータ読みで$8弱くらいだったので、チップ込みで$9払っときました。ふぅ。

ホテルのカウンタでチェックインしますが、この係りの人、たぶんさっきTELを切ったヤツでしょうが、ちょっとブスっとしていてあんまり愛想が良くありません。なんだか感じ悪し。周辺の地図とかないか聞くと、なんだか渋々周辺のレストランなどが載っている地図をくれます。なんだか感じ悪し。部屋はまぁきれいですので、気を取り直して夕食に行くことにします。ちょっと歩いたところにあるThe Penny Farthing TavernというBritish Pub & Restaurantに行ってみることにします。

曇っているせいもあるんでしょうが、町はなんだか寂しく、ほとんど人が歩いていません。車の量はまぁまぁですが、皆家路を急いでいるという感じです。マリンレイヤのせいでしょうか、空気は湿っていて肌寒いです。

レストランはまぁ良い雰囲気です。昔のイギリスって感じがして店員も愛想が良いです。ここでNew York steakなんかを食しました。大変おいしゅうございました。

ホテルに戻る途中、ガソリンスタンドと一緒になっているコンビニに寄ってビールでもgetしておきます。ここでもなんだかお客さんがあやしくて、どうみても「やばい」商売でもしているようなおばちゃんがいたりします(^^;)。なんだかきょろきょろして挙動不信で(^^;)。

ホテルに戻って、明日のルートでも確認しつつプシュっとやって寝ました。

【後日追記】今回のレポートにある「あやしい」とか「やばい」とかの表現はその当時私が感じた個人的な感想に過ぎません。特定の人種や文化を差別する意図はありませんので、悪しからずご了承ください。

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