2002/06/18(火)

フライトのはずが…part 3

本日も良い天気です。本日はお昼から77Kでフライトの予定ですが、77Kがまだメンテナンスから戻って来ません。というわけで先に座学をやることにします。

座学はMeteorologyとして、IFRに関するWXのお勉強です。これはprivateの時にやったことも含んでいるのでそのレビューと、更により突っ込んだ内容を学びます。でも日本の事業用のWXの方がもっと難しいかも。

これで一通り座学がおしまいです。後はクロカンに行く時になったらそれに関する座学をやるそうですが、これで一段落です。フライトが早いペースで進んでいるので、それに合わせてwrittenを受けられるよう準備しないと(^^;)。

それにしても77Kが戻ってこないです。教官がメンテナンスに確認したところ、今日の夕方か明日の朝になるとのこと。仕方ないので本日もフライトしないことにします。家に帰ってwrittenの勉強しよっと。

ところが家に帰ってしばらくすると教官からTELがあります。どうやら77Kが直ってきたそうです。というわけで再びSkylineに行ってフライトすることにします。

今回はCRQでLOCアプローチを2回と、OKBでVORアプローチを1回する予定です。R/W 27からright crosswind departureで出発。フードをつけて4000ftまで上昇します。ちなみにこのフード、先日Marv GoldenでJeppesenのAirway Manualをgetした時と同時にgetした「マイフード」です(^^)。Jeppesenのメガネ型で、なんというか、フードの部分がパカ! って上に上げることができるやつです。こういう道具って、自分の物を持つとなんだか上達する気がするんですよね(^^;)。

さてここからCRQでのLOCアプローチの準備を開始します。まずavionics set。ATISを聞いてILS Rwy 24アプローチであることを確認します。アプローチチャートで各種フィックス、コース、高度を確認します。これがですねぇ、フードをつけて機体をコントロールしながらだと結構CPUパワーを要します(^^;)。高度はトリムが取れていれば良いのですが、ちょっと油断するとヘディングが変わっていたりします。それに加えて、教官からヘディングの指示があったりするので慣れないと結構大変です。

さてSocalアプローチにコンタクトします。この周波数やけに混んでいます。全然割り込めません。しばらくワッチして…今だ!

【注】以下、CK (Cherokee)、APP (Socal Approach)、DEP (Socal Deparure)で示します。その他のVORや空港のIDなども元々の名前で発音します。”CRQ” は実際には “Palomar”、”OCN” や “OKB”は “Oceanside” とかなるわけです。

CK: APP, CK 9077K, 12nm NW of RNM, 4000, IFR request.

Socalは他の交信で忙しそうです。このまま飛んで行くとCRQに近づいてしまうので、しばらくサークルして待機します。すると、

APP: Calling station for IFR request, say your tailnumber again
and destination.

と言われます。後で教官曰く、この周波数は現在忙しいのでここでは機体番号と行き先だけ確認したかったみたいです。ところがここで私、

CK: CK 9077K, request two ILS approaches at CRQ, followed by VOR
approach at OKB, then back to RNM.

とIFRクリアランスの要求をしちゃいました。本当はこの段階では、

CK: CK 9077K, destination is CRQ.

とだけ言えば良かったようです。あ、あついです。

APP: CK 77K, squawk 5211… Radar contact, you are 10nm NE of CRQ,
fly heading 210, maintain 4000.
CK: CK 77K, fly heading 210, maintain 4000.

この後改めてAPPからリクエスト内容を聞かれたので、再度上記内容を伝えます。

APP: CK 77K, after this approach, what’s your intension?
CK: Request one more ILS approach at CRQ, followed by VOR
approach at OKB, then back to RNM, CK 77K.

そうするとなんだかILSアプローチは1回だけ許可するとかなんとか言わちゃいます(^^;)。

APP: CK 77K, cleared to CRQ, descend and maintain 3400 until join
LOC, cleared for ILS Rwy 24 approach, report passing DEASY.
CK: Descend and maintain 3400, cleared for ILS Rwy 24
approach, report DEASY, CK 77K.

APPから「CRQまでのIFRクリアランス」が出ました。この時点からIFRです(^^)。また、ILS Rwy 24アプローチの許可も同時に出ました。ちなみにこの「ILS Rwy 24アプローチ」ってのは、以前TKDさんがナイトクロカンの帰りにCRQにdiversionした時の降り方ですね。

LOCのコースは245°ですので、現在は約30°のカットアングルで向かっていることになります。CDIが動き出しました。1ドット手前くらいからヘディングを245°に向けてLOCをつかまえます。ここから2300ftまで降下開始。2300ftでレベルにしてしばらく飛ぶと、DEASYのアウターマーカを通過します。ここでタイマをスタートさせて、MDAである980ft まで降下開始。

CK: APP, CK 77K, passing DEASY.
APP: CK 77K, contact CRQ tower on 118.6.
CK: Contact tower, CK 77K … CRQ tower, CK 9077K, ILS inbound.
TWR: CK 77K, continue.
CK: Continue, CK 77K.

MAP (missed approach point)まではGS 90ktとして、DEASYから3分20秒の予定です。

TWR: CK 77K, cleared for low approach.
CK: Cleared for low approach, CK 77K.

今回はmissed approachすることがわかっているので、ローアプローチする許可が出たわけです。もしCRQが目的地ならばここで “cleared to land R/W 24” となるところですね。

MDAの980ftまで降下するには降下率を700fpmくらいにする必要がありますが、私500fpm強くらいで降下していたので、ちょっと修正します。ところが「降りなきゃ」という意識が働いてか、ちょっとピッチダウンさせすぎてエアスピードが大きくなっちゃいました。いかんいかん、アプローチスピードを一定にしないといけないですね(^^;)。ちょっとあつくなったせいか、MDAの980ftちょっと行き過ぎてしまいました。いかんいかん(^^;)。

DEASYから3分20秒通過しそうな時点で外を確認します。うん、コースはバッチリです(^^)。ここでmissed approachします。パワー、ピッチアップ。規定されている通り、R/Wヘディングで上昇します。3000ftまで上昇する予定です。

CK: CRQ tower, CK 77K, missed approach.
TWR: CK 77K, remain R/W heading, climb and maintain 3000, contact
DEP.
CK: Contact DEP, CK 77K … DEP, CK 77K, missed approach at CRQ.
DEP: CK 77K, radar contact, radar vector to OCN VOR, fly heading
270, climb and maintain 3000.
CK: Fly heading 270, climb and maintain 3000, CK 77K.

レーダーベクタでOCN VORまで持って行ってくれるようです。OCN VORはすぐ近くなので、この時点で素早くNAV1をOCNに合わせて、toでCDIセンターになるようにして自分の位置を把握しておきます。現在OCN VORへの310°コース(130°ラジアル)にいる感じです。

DEP: CK 77K, direct to OCN VOR, cross VOR at or above 2500,
cleared for VOR-A approach at OKB.
CK: Direct to OCN, cleared for VOR-A approach at OKB, CK 77K.

現在位置からOCNにdirectします。VOR-Aアプローチの許可が出ました。2500ftを過ぎていたので、ちょっとだけ降下して2500ftにします。まだ時間がありますので今のうちにVOR-Aアプローチをレビューします。COM2を使ってASOSをスピーカーで聞いた後、OKBのCTAFにしておきます。このあたりはまだ余裕がないので、教官がデモしてくれます。なるほど(^^;)。

OCN VORを通過しました。規定されているホールディングパターンを使ってcourse reversalをします。ここのホールディングパターンはOCNを基点にinboundコースが090°の標準パターンです。我々はOCNにヘディング310°くらいで向かっていましたので、parallel entryになります。

タイマをスタートさせて、まずはoutbound方向へ、ヘディング270°で飛びます。今のうちにNAV1を090°にセットしておきます。1分後、左旋回でヘディングを045°に向けてOCNへの090°のコースに45°のカットアングルで向かいます。VORが基点のホールディングパターンではリファレンスとなるVORが近いので、CDIが動き始めたらすぐコースに乗るべく旋回を開始する必要があります。これでOCNへの090°のコースに乗りました。このまま2500ftでOCNに向かいます。

VORを通過しました。タイマをスタートさせて、ヘディングを096°にするとともにNAV1を096°にセットし、降下開始。まさに「Time、Turn、Tune (Twist)、Throttle」ですね(^^)。このままMDAの1140ftまで降下します。

DEP: CK 77K, contact advisory frequency approved, report missed
approach.
CK: Report missed approach, CK 77K.

ここからはノンタワーの空港と同じようにCTAFで自分のintensionを送信します。

CK: OKB traffic, CK 9077K, 3nm NW of field, 2000, inbound for low
approach, departing NE.

ここで “departing NE” と言っているのは、この後のmissed approachの手順がヘディング030°で4000ftまで上昇するってやつだからですね。

MAPの位置に近づいてきました。でもまたしても降下率が足りなかったようで、なんだかちょうどMAPの位置あたりでMDAになりそうです(^^;)。タイマが2分16秒を指すあたりで外を確認すると、ちょうどノーズの真下にOKB in sight(^^;)。OCN VOR通過からR/Wの末端まで3.4nmしかないので、結構あっという間です。

現在のOKBはR/W 24なので、本来ならここからcircle to landしてR/W 24に降りるところですが、今回はこのままmissed approachしますので、

CK: OKB traffic, CK 77K, over the field, 1200, departing NE.

とCTAFで送信して、パワー、ピッチアップ、上昇です。ヘディングは030°です。規定通りだと、このまま4000ftまで上昇することになります。NAV1を083°にセットしてOCNの083°ラジアルに乗るべく準備しておきます。

CK: DEP, CK 77K, missed approach at OKB.
DEP: CK 77K, climb and maitain 4000.
CK: Climb and maitain 4000, CK 77K.

OCNの083°ラジアルに乗りつつ上昇を続けます。ここでDEPが「この後どうする?」みたいなことを聞いてくるので、せっかくだからもう一度CRQでのILSアプローチをリクエストしてみます(教官が)。

CK: Request ILS approach at CRQ, missed approach, then back to RNM.
DEP: CK 77K, cleared to CRQ, fly heading 090, climb and maintain 4000.
CK: Cleared to CRQ, fly heading 090, climb and maintain 4000, CK 77K.

OKBのmissed approachだと、本来はそのまま083°ラジアルをトラッキングしてVISTA intまで行ってホールディングするのですが、その前にCRQまでのIFRクリアランスが出ましたので、ホールディングはしないで、ATCの指示に従います。ヘディングの指示もありますので、この時点からレーダーベクタされることになります。4000ftでレベルにしてしばらく飛びます。

【注】APPとDEPは周波数も人も同じですが、ここからAPPと表記することにします。

APP: CK 77K, fly heading 150, descend and maintain 3400.
CK: Fly heading 150, descend and maintain 3400, CK 77K.

3400ftでしばらく飛ぶと、

APP: CK 77K, fly heading 210, intercept LOC, cleared for ILS Rwy
24 approach.
CK: Fly heading 210, cleared for ILS Rwy 24 approach, CK77K.

と、ILS Rwy 24アプローチの許可が出ました。いつものごとくLOCへのカットアングルは約30°に持って行かれますね(^^)。

3400ftを維持しつつLOCをインターセプト。ここからはさっきと同じように2300ftまで降下開始。DEASY通過後タイマをスタートさせて、MDAの980ftまで降下開始。

APP: CK 77K, contact CRQ tower on 118.6.
CK: Contact tower, CK 77K … CRQ tower, CK 9077K, ILS inbound.
TWR: CK 77K, continue, following biplane.
CK: Continue, CK 77K.
TWR: CK 77K, cleared for low approach, advice canceling IFR.
CK: Cleared for low approach, CK 77K.

今回もタワーでIFRをキャンセルできるようですね。教官の指示で、前を行くPittsに追いつかないよう、アプローチスピードを80ktに落とします。

DEASYから3分20秒あたりで外を見ると、またしてもいい感じ(^^)。ここでmissed approachします。missed approachについて特に指示されていないので、規定されている通りR/Wヘディングで上昇します。

CK: CRQ tower, CK 77K, missed approach, request canceling IFR,
left downwind departure to RNM.
TWR: CK 77K, cancelation received, contact DEP for VFR advisory.
CK: Contact DEP, CK 77K.

この時点でIFRはキャンセルになってますが、タワーの指示でVFRアドバイザリ(VFR flight followingとかVFR traffic advisoryともいう)を受けろというので、それに従うことにします。

CK: DEP, CK 77K, missed approach at CRQ, leaving 2000, heading 245.
DEP: CK 77K, radar contact, fly heading 140.
CK: Fly heading 140, CK 77K.

そういえば高度の指定がなかったですが、既にVFRなので自分で決めて良いはずですが、念のため確認します。

CK: DEP, CK 77K, give me altitude for back to RNM.
DEP: CK 77K, direct to RNM, altitude is pilot’s discretion, resume own navigation.
CK: Resume own navigation, CK 77K.

なんだ、特に具体的な指示は無く、結局自分で飛んで行けってことね(^^;)。

RNMの近くまでは教官の指示のもと飛んで行きます。RNMのASOSを聞いておきます。普通ここらあたりで “radar service terminated” なんですが、一応教官が突っ込みます。

CK: DEP, CK 77K, we have RNM in sight. I’d like to cancel VFR
advisory.
DEP: CK 77K, squawk VFR, radar service terminated, frequency
change approved.
CK: Squawk VFR, frequency change approved, CK 77K.

Mt. Woodsonの3nm Wくらいに来たようです。ここでフードを取って、後はいつもと一緒です。今回は前にトラフィックがいたのでちょっとだけdownwindをextendしました。

ブリーフィングでは「フードをつけたLOCのトラッキングはほぼOKです。特にCDIのずれに対してはgood correctionです。アプローチに入ったらエアスピードを一定に保つようにしましょう。MDAより下がってはいけません。もしIMCだったら障害物にぶつかっちゃうかもしれないですからね(^^;)。MDAぴったりである必要はなく、ちょっと高くてもOKです。VORアプローチもほぼOKです。降下率をもっと大きくしても良かったかもしれません。ラジオは最初はあんな感じでOKです。これから何回もアプローチやクロカンに行きますが、それを通して早く慣れて下さい。」を頂きました(^^;)。

ちなみにですね、今回お送りしたATCとのやり取りは、まぁ3分の2くらいは自分でやっていますが(^^;)、残りは教官がやっちゃいます(^^;)。また上記やり取りは自分の復習のため整理した形で書いてあります。実際にはもっと「くずれた」言い方をされること(すること)があります。

さすがに、フードをつけて機体をコントロールしつつ慣れないIFRの手順で飛んでしかもATCまでこなすのは、最初はかなりあついです。もっともっと全体の流れのイメージを確実なものにして「心が先に行く」ようにしたいと思います(^^;)。

というわけで、中2日空けたフライトはおしまいです。

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